Kanji "Anima"tion
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漢字のアニマとは
フォントに含まれる漢字の中から部首や似た要素を持つ字を用いて、それらを切り替えて表示することで、動きを作るアニメーション表現です。例えばモーショングラフィックスのように移動や変形をさせたり、文字を辺ごとに分解するなどといった自由な手法ではなく、漢字という、 点と線による筆画の組み合わせを構成要素とした規格の中から、一字ずつ小さな形の違いを比較し、それが繋がるように動きを発見していきました。
動きを作るのではなく動きが生まれる
通常のアニメーションは、作り手が動かしたいと思う意図に合わせて1コマずつ描くことで動きを作っています。つまり、すべて作り手によってコントロールされている表現といえます。それに比べ、この表現は作り手が制御した動きとは異なります。漢字という枠組みの中から既存の1文字を1コマとしてを選ぶことしかしていないため、意図する動きに合った形があるとは限らず、制御しながら作ることは容易ではありません。しかし、動きを見つけることはできるのです。なぜなら漢字という枠組みの中にはすでに動きとなる要素を持ったコマが隠れているからです。そのため、そうしたコマの組み合わせで動きを作るということは、意図通りに動かすというよりも「偶然にも動きが発見される」という動きの作り方になります。つまり、漢字の規格という制約が、図らずとも動きとなる要素を生み出す効果を持っていたのです。
梶垣 諒 / Ryo Kajigaki
mail: ryokajigaki(a)gmail.com